西上州(群馬) 高岩(1080m)、女岩(1040m) 2019年1月6日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 7:03 登山口−−7:29 1000m鞍部−−7:40 高岩−−7:50 1000m鞍部−−8:03 女岩 8:06−−8:17 1000m鞍部−−8:35 登山口

場所群馬県安中市
年月日2019年1月6日 日帰り
天候
山行種類一般登山(クライミング要素含む)
交通手段マイカー
駐車場登山口付近の路側に駐車するしかない
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無高岩山頂直下は垂直の壁(正確にはチムニー)。火山性の礫岩で凸凹が多くクライミングの技術的には低い部類だが、高度感抜群で万が一落ちれば軽傷では済まず、ここだけは一般登山の範疇を越えている。確実に西穂稜線より危険度は上。
山頂の展望高岩:大展望  女岩:最高点は展望良くないがその先は展望あり
GPSトラックログ
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コメント恐怖の岩山に挑戦。山頂直下の垂直チムニーでは五十肩で苦労した。真面目に鎖に頼ったのは久しぶり。チムニーで背中側に支えがあるので技術的には鎖を使わなくても登れるが、万が一ミスって落ちれば軽傷では済まないので鎖のバックアップは必須。慣れない人はハーネス着用で岩装備で臨みたいところ。過去に体験した鎖場では最上級の恐怖感で北ア穂高周辺の登山道の比ではない。女岩は山名事典の山頂なら危険はないが、途中の1050m峰等高線の岩峰群はフリーではヤバいやつもある




南側から見た高岩 登山口。駐車場は無く路側駐車
凹んだ登山道を登る なぜか枯れ木がまとまって倒れていた
巨岩 巨岩の窪み
さて、あのてっぺんに登れるのか? 谷を登る
1000m鞍部に到着。まずは男岩へ テラス状の登山道
問題の垂直の鎖。マジで垂直! 3ピッチに分かれた鎖の最上部。一番怖かった
鎖が終わってもまだ危険箇所あり 岩場でなくても落ちればただでは済まない
高岩山頂。本当に最高点まで登れた 西を見ている
眼下には碓氷軽井沢インター 女岩
高岩山頂からの360度パノラマ展望(クリックで拡大)
1000m鞍部へ戻り女岩へ 気温は-5,6℃
岩峰群めがけて急斜面をよじ登る これでも登山道。最初の岩峰根本に出る
2つ目の岩峰。巻いてしまう 3つ目の岩峰。これも巻く
3つ目の岩峰への登り あのピークが山名事典の女岩
女岩山頂直下で八風平からの登山道が合流 山名事典の女岩山頂
女岩東側の岩場 2つ目の岩峰
2つ目の岩峰拡大。金具が複数あり 登山口に戻る


・高岩は上信越道のすぐ横にあり、長野から群馬側に下っていくと大山トンネルを抜けると巨大な岩山が聳え立つのが目に入るが、その山である。見た目には登れそうに無いが、ネットで調べると登山道があって裏側から登れるとのことで行ってみることにした。ただし、かなりまともな鎖場を登る必要があるらしい。最近、いや、ここ数年は鎖が真に必要な場所は登っていないし、私も老化が進んでここ数か月で五十肩が酷くなり肩の可動範囲が狭まって岩登りはいっそう苦手になり、果たして登れるかどうか不安だった。ネットの記録によると女岩の方は難しくないようで、せめてそちらだけでも登れればいいだろう。ちなみに女岩は地形図に名前は記載されていないが日本山名事典に記載されている。

・高岩の標高は地形図を素直に読むと1060mに見えるが山名事典には1080mと書かれていた。山頂直下は垂直の崖で等高線が何本か飛ばされているようだ。

・登山口は南側の恩賀集落。近くの道路には案内看板があり、一応、一般登山道らしい。でも西上州の山はアルプスより厳しい場所もあるからなぁ。

・登山口近くに駐車場は無いが、ほとんど車が通行しない道なので路側に駐車。軽自動車なら駐車しても大型車が通行可能だろう。

・最初は植林帯の神社参道のような凹んだ道。やがて林道に合流、しばし林道歩き。途中で枯れた太い落葉樹が何本も倒れた広場のような場所あり。

・標識に導かれて林道から右に反れて緩やかに登っていくと、途中に大岩あり。

・さらに進んで傾斜が出てくると落葉樹林に変わり、両側の岩壁に挟まれた浅い谷状の斜面を登っていく。まだ危険は無いが、場所によっては急な箇所もある。分かりにくいルートだが目印があるので良く見ながら登ること。

・鞍部に到着すると右は男岩(高岩)、左は女岩。事前情報で男岩の方が厳しいことは分かっていたので、体力に余裕のある最初のうちに登ることにして右に進む。

・しばらくは自然林に覆われた普通の尾根だが、やがて大岩壁が登場、その右側にテラス状の道ができている。さて、この先はどうなっているのやら。普通にてっぺんまで安全に登れるルートが本当にあるのか心配になるような岩壁しか見えない。

・やがて岩壁に挟まれたチムニーが登場し、そこに鎖がぶら下がっていた。角度はほぼ垂直で、私なら鎖がなかったら登ろうとは考えもしない場所。ただし、周囲の開けた垂直の壁とは違いチムニーなので登りやすい場所ではある。また、岩肌は火山性の礫岩で凸凹が多く、しかも岩はしっかりして足を掛けも崩れないので、岩のスキルがある人なら鎖を使わずにフリーで登れそうである。ただし万が一にも落ちれば軽傷では済まないので、よほど自信がある人以外はバックアップに鎖を使うべきだろう。

・これまでいくつもの鎖場を体験してきたが、ここは間違いなく私にとっては過去最大級の難易度(恐怖度)。私の力量では鎖を使わずに上り下りは不可能で、大キレット周辺や西穂稜線などの穂高の鎖なんかより格段に難しい。これは一般ルートとは言えないレベル。普通のハイカーが登るなら岩の経験者と一緒に登り、ハーネス着用でロープで確保する必要あり。

・足場を慎重に決めて鎖を握る手にも力が入る。ただし、チムニーなので背中方向に寄りかかれる場所があり、腕が疲れたら岩にもたれかかって休憩が可能で、オープンな垂直壁よりはずっとマシ。ただし高度感は大差なしで落ちたときのことを考えると進むのに勇気が必要。

・チムニーの難所は3ピッチに分かれていて、中間の2箇所で休憩可能。これが長い1ピッチだったら私には岩装備が必要だろう。

・やっと最上部の鎖を抜けると安全地帯に到達。この先は山頂まで鎖は無いが、痩せた急な尾根もあるので特に下りでは転落注意。凍結、積雪時は止めた方がいいだろう。

・踏跡を辿ると高岩山頂に到着。見る限りは岩峰の最高点であり山頂標識あり。当然ながら周囲は大展望で女岩の岩峰群は低い位置に見える。山名事典の女岩はどれを指すのかは不明。現地に標識があるといいのだが。

・鎖場まで慎重に戻り、鎖場はさらに慎重に下る。さすがに下りは難しく、足場を探る間に腕の筋肉をかなり消耗した。やはり下りはロープで懸垂するのが楽で安全だろう。

・鎖場が終われば本日のメインイベントは終了。ネットで見た記録では女岩は危険な場所は無いとのことだが、最低鞍部から登り返して岩峰群に取り付く箇所は、岩ではないかかなりの急斜面で要注意だった。岩角、立ち木や木の根に掴まりながら慎重に登った。

・稜線上に出ると岩峰群の登場。全部で3つあるが、地形図を見ると山名事典の山頂は岩峰群の北側のピークを指しているので登山道で全て巻いてしまう。2番目の岩は短いが狭いリッジの先にあり、岩装備無しでは落ちればあの世行き。短い岩壁には複数の金具が打ち込まれているのが見えた。

・岩峰群を越えれば安全地帯。途中で八風平から上がってくる登山道が合流し、その先のピークが山名事典の女岩だが、山頂に岩は皆無だった。その僅かに先に開けた岩場があるが、標高は若干落ちる。これより先は両側が切れ落ちた岩の痩せ尾根。

・帰りは往路を戻る。下山までに他の登山者に出会うことはなかった。翌日、上半身が筋肉痛になったのは言うまでもない。

 

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